タカサブロウ(モトタカサブロウ) 【高三郎・鱧腸】 キク科タカサブロウ属 学名:Eclipta prostrata

 世界の温帯・亜熱帯に分布し、日本では北海道を除く本州以南の各地の田圃や畦、水路壁などやや湿った場所に普通に生育するいわゆる水田雑草の一つである高さ約30cmの一年生草本。
 8〜9月夏から秋にかけ、次々と対生する枝の頂に直径は1cmぐらいの目立たない白いキクの花を咲かせる。花が終わると花より一回り大きな果実(痩果)がなり、種子は褐色に熟し、水で散布される。キクの仲間とはイメージが違うが、種を取る頃のヒマワリに似ている。
 茎を切ると切り口が黒ずんで文字が書ける。貧しくて筆や墨が買えなかった高三郎という人が、この草を使って文字を書いたという話がある。
 葉は倒披針形でほぼ無柄、対生し、両面とも剛毛があってざらつく。葉には剛毛があるのでさわるとザラザラし、葉は長楕円形の対生。
 日本に古くから生育しているタカサブロウのほかに、乾燥した荒地にも生育するアメリカタカサブロウがある。


2008/8/16 双葉郡楢葉町 撮影:黒田 豊 氏(楢葉町)


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