シュロ 【棕櫚・棕梠・椶櫚】 ヤシ科シュロ属 学名:Trachycarup fortunei

別名:ワジュロ(和棕櫚:日本原産) 
 シュロは、もともと中国南部に自生する雌雄異株の木本性単子葉植物。枝分かれしない、同じ太さの幹がまっすぐ立っていて、大型の掌状葉が幹の頂上に生えるのは多くのヤシ科植物の特徴。
古くから日本各地で栽培されており、公園や庭園に植えられたものが目につく。
人里に近い浅い山麓部などで、鳥によって散布された種子から発芽したシュロが野生状に生えている場合も少なくない。
 シュロの幹を取り巻くように生えている繊維質のもの、すなわちシュロ毛は枯死した葉鞘部の繊維が残ったものだが、耐水性がつよく、縄やマット、ほうきなどをつくる。また、若い葉を漂白して草履表(ぞうりおもて)、帽子、敷物、篭などをつくる。さらに、真っすぐな幹は、お寺の撞木(しゅもく:鐘をつく棒)や建築材料としても使われる。
 シュロにごく近い植物としてトウジュロ(T. wagnerianus)がある。両者の区別は、シュロは葉が大きく、裂片が途中で折れて下へ垂れ下がっているのに対し、トウジュロの葉はやや小さく、ピンと広がって裂片が垂れ下がることがないことである。しかし、両者の中間的な形態を持つもの(アイジュロ)もある。


2001/5 双葉郡浪江町西台
シュロ 【棕櫚・棕梠・椶櫚】 ヤシ科シュロ属

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