ニガウリ 【苦瓜】 ウリ科ツルレイシ属 学名:Momordica charantia

  原産地は熱帯アジア。日本では南西諸島と南九州で多く栽培されているが、今日では更に広い地域での食用栽培が盛んである。
 別名:ツルレイシ(ニガウリ、ゴーヤ)
熟すと表面がオレンジ色、種子を包む柔らかい果肉は赤くなる。果実と若芽を食用にする。
和名の「ツルレイシ」は、イボに覆われた果実の外観と完熟すると仮種皮が甘くなるという2つの形質が、ムクロジ科の果樹であるレイシ(ライチー)に似ていることに由来する。つまり、蔓性の植物体に実るレイシの意味である(ツルレイシの事を単にレイシと呼ぶのは誤りである)。また、果肉が苦いため「ニガウリ」とも呼ぶ。なお、農学・園芸学ではツルレイシを用いることが多いが、生物学ではニガウリを用いることが多い。
 中国語では「苦瓜」や「涼瓜」などと呼ばれ、日常的に食用にするだけでなく、焙煎してお茶として飲用することもある。
日本各地に地方名があり、沖縄県では沖縄本島(首里・那覇方言、今帰仁方言など)で「ゴーヤー」、宮古島(宮古方言)で「ゴーラ」、八重山(八重山方言)で「ゴーヤ」、熊本県をはじめとする九州では「ニガゴリ」、長崎県諫早地方や鹿児島県の一部では「ニガゴイ」などと呼ばれている。諫早地方では「ニガウイ」の名称も併用される。
 熟した果実が裂開したところつる性の一年生草本。成長すると長さ4〜5mになる。果実は細長い紡錘形で長さ20〜50cm、果肉を構成する果皮は無数の細かいイボに覆われ、両端は尖り、未成熟な状態では緑、熟すと黄変軟化し裂開する(収穫しても、常温で放置しておくと同じ状態となる)。
さらに完熟した種子の表面を覆う仮種皮は赤いゼリー状となり甘味を呈する。腐敗しているわけではなく食すこともできるが、歯ごたえのある食感は失われる。元来野生状態ではこの黄色い果皮と赤くて甘い仮種皮によって果実食の鳥を誘引して種子散布を行っていたものと考えられる。


2008/8/12 双葉郡楢葉町 撮影:黒田 豊 氏
ニガウリ 【苦瓜】 ウリ科
2001/7/26 耶麻郡猪苗代町 ハーブ園
ニガウリ 【苦瓜】 ウリ科


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