カトウハコベ 【加藤繁縷】 ナデシコ科ノミノツヅリ属 学名:Arenaria katoana

 北海道、本州北部の蛇紋岩崩壊地に限って産する稀少種。本州では早池峰山、群馬県の至佛岳、谷川岳にみられ、ほかに北海道の夕張岳とトッタベツ岳のみに分布する。1905年(明治38年)牧野富太郎が早池峰山で発見し、発表され、同行の加藤子爵を記念して命名された。
 高山帯の礫地に生育する多年性草本で、高さ5〜10cm。茎は細く、2列の毛がみられ、下部は枝分かれして多数そう生している。茎は根元から出て株立ちとなる。葉は柄がなく峡卵形。柄には毛があり、花は茎の上部に1〜2個咲き、白色で、径6mmぐらい。花弁は5枚、がく片よりやや長く、卵形、花期は7〜8月で、花後さつ果となり、内部に1mmぐらいの種子が形成される。


2007/7/9 早池峰山 撮影者:黒田豊(楢葉町)

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