ホラシノブ 【洞忍】 ホングウシダ科ホラシノブ属 学名:Sphenomeris chinensis (L.) Maxon.

 北海道と東北の寒い地方を除く、本州、四国、九州、沖縄地方に分布する常緑性多年草。山野やさまざまな場所に普通に見られるシダ植物のひとつで、細かく裂けた葉先が丸い。
 かなり日向の乾燥した場所でも見かけることがあり、それによって形態には変化も多いが、細かく分かれた枝に丸っこい葉がつくのがなかなか美しい。
 根茎は短く匍匐し、褐色の鱗片がついている。葉は比較的集まってつく。
葉は大きいものでは60cmになるが、10cmそこそこでも胞子をつけている例もある。葉の長さの半分足らずが葉柄になっている。葉柄は緑で、基部は褐色を帯び、まばらに鱗片がある。
葉はやや厚みがあって革質、表面は滑らかでつやはあまりない。黄緑っぽい色が普通で、赤みを帯びることもあり、特に冬には紅葉するのも見られる。
葉身は概形としてはやや楕円形を帯びた披針形で、3-4回羽状複葉をする。根元側から1-2対の羽片はやや短く、その次辺りが一番長くなっている。
裂片は基本的には丸みを帯びた三角だが、やや羽状に裂けるのも見られる。胞子嚢群は裂片の先端側の縁に沿って横長になっており、先端側に口が開いている。


2007/11/27 双葉郡楢葉町 撮影者:黒田豊氏(楢葉町)

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